
いつもサンクロンをご愛用いただき、誠にありがとうございます。
夏季に入ると、時々先生方から「この暑さの影響で、笹は採れるの?」と聞かれますが、
そんな時は「全く問題ありません」と即答します。
サンクロンに使われるクマザサは、主に長野県の標高1,000mを超える高地に自生するものを採取しています。
この高地帯に自生するクマザサは環境への適応力が強く、平地で酷暑が続いても、冷涼な気候のおかげで暑さによる成長の悪化は今のところ問題ありません。
しかし、真夏の時期のクマザサ採取は避けています。
夏季は新芽の成長期であり、若葉にはクロロフィルや栄養成分が少なく、製品の品質維持に適しません。
真冬についても標高が高い分、多くの雪に埋もれてしまいますので採取は出来ませんが、栄養分が逃げないようにしっかりと繊維を強化して栄養を蓄える大切な期間でもあります。
そのため、採取期間は春期は5月~6月、秋期は10月~12月に限定しています。
休採期間を設けることは、クマザサの持続的なライフサイクルの維持、クロロフィルを豊富に含んだ良質な原料を確保する上で、理に適っているのです。
懸念といえば、最近はシカの数が増え、クマザサが食べられてしまう範囲が広がってしまいました。
シカも栄養のあるクマザサが大好きなようで、特に柔らかい新芽を好んで食べてしまうのが悩みの種となっています。
クマザサの地上部は数年間の生存が可能で、食害に合わなければ葉緑素や栄養分をたっぷり蓄えた良質な原料となります。
シカに新芽ばかり食べられる状態が繰り返されると、将来的に良質な原料確保の脅威になってしまいます。
現在、笹採りの職人さんが良質なクマザサを一枚一枚手作業で採取して、近い将来「サンクロン」となるクマザサをシカに負けじと採ってくれています。
これからも、高品質な製品をお届けできるよう、自然の恵みと共に向き合ってまいります。